地震・台風・ゲリラ豪雨・大雪など、年々いろいろな災害が増えています。
そして、地震や洪水といった大きな災害だけでなく、異常気象による大雨や干害など、避難する必要性はないものの日常生活に支障をきたす災害が至るところで発生しており、個々の災害対策が必要不可欠になってきています。
ということで、今回は「家庭備蓄」や「避難グッズ」など、自分(家庭)で出来る防災準備についてご紹介していきますので、まだ準備していない方はぜひ参考にしてください。
災害時の避難
災害が発生すると、おもに以下の2つの状況に置かれます。
在宅避難
これは、住居は無事だけど、電気・ガス・水道などのライフラインがストップしてしまう状況で、災害時の多くはこの在宅避難が占めます。
この場合、ライフラインが復旧するまで生活できるよう、最低でも3日から1週間分の飲食料品を備蓄しておく必要があります。
避難所への避難
これは、住居の崩壊や浸水などによって、避難所への避難が余儀なくされる状況で、近年の水災害の多発により、避難所の利用は増加傾向にあります。
この場合、最低限の避難グッズを事前に準備しておくと、突然の避難に落ち着いて対応することが出来ます。
災害時の必要な準備
ということから、災害を想定した準備は、在宅避難のための「家庭ストック」と、避難所などに避難する場合の「避難グッズ」になります。
なお、家庭ストック&避難グッズを一から揃えるのが面倒な方は、状況や目的に応じて必要な物資がセットになった「防災セット」を購入するのも一つの方法です。
それでは、
- 家庭ストック(日常備蓄)
- 避難グッズ(非常持ち出し)
- 防災セット(家庭&避難)
の3つを順番に見ていきましょう。
家庭ストック(日常備蓄)
家庭で備蓄しておく物をカテゴリーに分けると、次のように分類できます。
それでは、順番に見ていきましょう。
1.水&食料
- 水(ペットボトル500ml・2L)
- ライス(お米・おかゆ・レトルト米)
- パンの缶詰
- レトルト食品
- 味噌汁
- カップヌードル
- 缶詰(おかず・果物)
- ふりかけ
- 野菜ジュース
- カンパン
- フルーツグラノーラ
- 栄養補助食品
- お菓子(飴・ガム・チョコ)
ポイント&おすすめ
人が一日に必要とする水の量は、一人当たり2リットル~3リットルと言われています。
水は、長期間保存できるペットボトルで備蓄し、使いやすさを考えると「500ml」と「2L」の両方をストックしておくと良いでしょう。
また、被災経験者によると、自治体による給水時に「水を入れる容器が無くて苦労した」との声が多く聞かれたので、ポリタンクを一つはストックしておきましょう。
食料のストックは、電気やガスがストップしていることを想定し、基本的には調理しなくても食べることができて、消化が良く体に負担の少ない食料をストックしておきましょう。
一例ですが、以下の商品は「保存性・味・食べやすさ」のバランスが良いので、おすすめの備蓄&非常食です。
2.調理&食器
- カセットコンロ
- ガスボンベ
- 紙皿
- 紙コップ
- 割り箸
- スプーン&フォーク
- ラップ
- ジプロック
- 炊飯袋
ポイント&おすすめ
カセットコンロをストックしておくと、ガスや電気がストップしても「簡単な調理」や「お湯を沸かす」こともできるので、ガスボンベと一緒に備えておきましょう。
また、お皿やお椀に「ラップ」を敷いて使うことで、水の節約と衛生面の確保につながるので、ラップも忘れずにストックしておきましょう。
炊飯袋があれば、カセットコンロと鍋を使って、湯煎によってお米を炊くことが出来るので、レトルトのライスではなく炊き立てのご飯を食べたいときに重宝します。
また、モーリアンヒートパック(発熱剤による加熱)があれば、レトルト食品などを簡単に温めることが出来るので、必要に応じて準備しておきましょう。
3.照明電源&情報
- ランタン
- 懐中電灯
- モバイルバッテリー
- 電池
- ラジオ
ポイント&おすすめ
懐中電灯は、基本的に特定の場所を照らすものなので、部屋の照明器具(ランタン)を準備しておきましょう。
以下のLEDランタン(ジェントス)は、明るさや点灯時間といった機能性も良く、コストパフォーマンスに優れているので、防災やキャンプなどにおすすめのランタンです。
モバイルバッテリーは、「容量の大きさ」と「対応デバイス」がポイントになります。
以下は、大容量(スマホ4~5回充電可能)かつマルチデバイス対応(各種スマホ・iPad)なので、防災や旅行におすすめのモバイルバッテリーです。
電池は、寒中電灯やランタンなどに使用するので、出来るだけたくさん準備しておくことが理想ですが、その際、準備している器具に必要な形(単1形~単4形)を確認し、長持ちする電池を選びましょう。
ラジオは、災害の状況や情報をリアルタイムで得ることが出来るので、どんなものでもよいので準備しておきましょう。
通販では、下のような「ラジオ・ライト・ソーラー&手回し発電(充電)・モバイルバッテリー」が一体になった防災ラジオもあるので、必要に応じて準備しておきましょう
4.衛生
- 非常用トイレ
- 除菌シート
- 体拭きシート
- ドライシャンプー
- ゴミ袋
ポイント&おすすめ
ライフラインがストップすると、当然トイレの水も止まってしまうので、非常用のトイレセットを準備しておきましょう。
また、災害時はゴミの収集がストップするので、ビニール袋などのゴミ袋を忘れずにストックし、衛生面が確保できるようにしておきましょう。
水が使えない状況で重宝するのがウェットシートですが、市販のものは保存性が低いので、必要に応じて防災用の保存性が高いものを準備しておきましょう。
避難グッズ(非常持ち出し)
避難グッズをカテゴリーに分けると、次のように分類できます。
それでは、順番に見ていきましょう。
1.リュック
- リュック
ポイント&おすすめ
避難グッズを入れるリュックは、容量と機能性がポイントになります。
リュックの容量(20L~30L)は、防災グッズの量によって変わってきますが、上のリュック(30L)の場合、ここで紹介する避難グッズをすべて入れて、少し余裕が出来ます。
なお、女性の方は赤やピンクの色を選びがちですが、災害時は治安が悪くなるので、荷物や持ち物によって「女性のもの」と見分けられないよう、防犯を意識した選択をしましょう。
2.水&食料
- 水(500ml×2本)
- お菓子(飴・ガム・チョコ)
- 栄養補助食品
ポイント&おすすめ
水は、500mlのペットボトルを2本準備しておきましょう。
また、お菓子や栄養補助食品については、一つの袋にまとめたうえで賞味期限を記入しておくと、確認や入れ替えが簡単にできます。
3.衣類&防寒
- 衣類(上下・下着・靴下)
- 帽子
- サバイバルシート
- カイロ
- 敷物(レジャーシート)
- ストール(ブランケット)
ポイント&おすすめ
濡れたり汚れたりしたときのために、荷物にならない程度に替えの衣類(上下・肌着・靴下)を準備しておくといいでしょう。
また、大災害に備えて、災害&避難用のヘルメットを準備しておくことが理想ですが、そこまで出来ない場合は、どんなものでもよいので帽子を準備しておけば、頭部の保護や防寒をはじめ、避難先でヘアスタイルを気にしなくて済みます。
なお、ストールやブランケットは、寒さ対策のほか避難所での目隠しなどにも使えるので、そのあたりも含めてサイズや枚数を選択しましょう。
4.電源&情報
- ラジオ
- モバイルバッテリー
- 電池
ポイント&おすすめ
情報収集のためのラジオは、「家庭ストック」で紹介した防災ラジオのほか、ラジオアプリをスマホにインストールして利用する方法もあるので、利便性とコストを考慮して選択しましょう。
また、モバイルバッテリーも、「家庭ストック」で紹介した大容量のバッテリーのほか、下のような「ソーラー充電&ワイヤレス充電」を備えた物もあるので、こちらも利便性とコストを考慮して選択しましょう。
5.衛生
- マスク
- 生理用品 ※女性
- サニタリーショーツ ※女性
- ティッシュ
- タオル
- ハンカチ&ティッシュ
- 絆創膏(常備薬)
- 携帯トイレ
- ボディシート
- ドライシャンプー
- 歯磨きセット
- 除菌シート
ポイント&おすすめ
衛生用品は、人によってその必要性が大きく異なるものですが、最低限、上に記載したものを揃えておけば安心です。
また、避難所に行けばトイレは使えるようにしてありますが、念のため「携帯トイレ」を持っておけば気持ちの面で安心です。
6.装備&道具
- 懐中電灯
- 防犯ブザー
- 雨具(レインコート)
- ガムテープ
- ライター
- ハサミ
- 万能ナイフ
- 安全ピン
- 洗濯ばさみ
- ポリ袋
- 軍手
ポイント&おすすめ
災害時は治安が悪くなるので、懐中電灯と防犯ブザーは準備しておきましょう。
懐中電灯は、小さくてもいいので機能性(点灯時間・明るさ・防水性など)が高いものを選択し、防犯ブザーは、防水性とブザーの鳴らし方(引き抜き・引っ張り・ボタン押し)を考慮し選択しましょう。
万能ナイフは、ナイフ・ハサミ・缶切り・ドライバーなどがワンセットになっているので便利ですが、使い慣れていないと、各パーツの出し入れの際に手を切ったりしてしまうことがあるので、準備しておく場合は少し使って慣れておきましょう。
7.貴重品
- 身分証明書(保険証や通帳のコピー)
- 現金
- 筆記用具
ポイント&おすすめ
免許証や保険証は、何かあった時(本人確認や病院)の身分証明になるので、コピーを取って備えておきましょう。
また、被害状況や住んでいる土地柄にもよりますが、被災経験者によると「コンビニは比較的早く復旧するので、もっと現金を持っておけばよかった」との声があったので、5千円から1万円程度は準備しておきましょう。
8.その他(女性&アイテム)
- 洗顔シート
- コンパクト鏡
- くし
- ティッシュ
- 化粧ポーチ(必要に応じて)
- へクリップ&ヘアゴム
- ハンドクリーム
- リップクリーム
- アイブロウ
- その他(メガネやコンタクトなど)
ポイント&おすすめ
女性の方は、必要に応じて「ヘア&フェイスケア」のアイテムを事前に準備しておくと、いざ避難するときに慌てなくて済みます。
また、メガネやコンタクトを使っている方は、可能であれば予備の物をリュックに入れておくと、避難先で困ることがありません。
防災セット(家庭&避難)
家庭ストック(備蓄)&避難グッズ(持ち出し)を一から揃えるのが面倒な方は、災害時に必要な非常食や避難グッズが、あらかじめセットになっている「防災セット」を購入するのも一つの方法です。
防災セットは、人数(一人用~家族用)や属性(女性用)に応じて、いろんなタイプのものが売られているので、自分にとって必要なものが揃っている防災セットを購入しましょう。
そして、手元に届いたら必ず中身を確認(選別&追加)し、自分に合った防災セットを完成させましょう。
家庭ストック(日常備蓄)のセット
いのちを守る防災ボックス
東日本大震災の経験をもとに考案制作された、必要な物資と情報の緊急ボックス。
5年保存の非常食セット
主食・おかず・おやつ・水まで揃った、家庭ストック用の非常食セット。
避難グッズ(非常持ち出し)のセット
防災士が監修した避難グッズ
防災士が監修した、「災害後3日間を生き抜く」ことを念頭においた防災リュック。
被災企業が考案制作した避難グッズ
福島県の被災企業が考案制作した、ハザードマニュアル付きの防災リュック。
女性のための避難グッズ
災害時に、女性が必要となる日用品&非常具で構成された、女性用の防災リュック。
その他 お役立ち情報
いつ襲ってくるかわからない災害に備えて、災害時のサポートや情報を前もって知っておことは、とても重要な災害対策になります。
災害用伝言板(伝言ダイヤル)
ラジオアプリ
いざという時に備えて、無料で利用できるラジオアプリの「radiko(ラジコ)」などを、スマホにインストールしておきましょう。
なお、「radiko(ラジコ)」は、プレミアム会員(378円/月)に登録すると、全国で放送されている番組を聞くことが出来ます。
公衆無線LAN(00000JAPAN)
大規模災害が発生したときに、無料で提供される公衆無線LAN(Wi-Fi)アクセスポイント。
東日本大震災をきっかけに開始されたサービスで、無線LANに関わる国内企業で構成される「無線LANビジネス推進連絡会」が主導となって、サービスが提供されています。
災害用00000JAPAN (ファイブゼロジャパン)|無線LANビジネス推進連絡会
ただし、緊急時に提供される無認証のサービスなので、利用する際は注意が必要です。
00000JAPAN 等により無料開放された無線LANの利用について|総務省
災害時帰宅支援ステーション
九都県市では、災害時に徒歩で帰宅する人たちのために、トイレ・水道水・道路交通情報の提供など、可能な範囲で帰宅支援の協力をしてもらえるよう、各店舗(コンビニ・ファミレス・ガソリンスタンドなど)と協定を締結しています。
知識&アクションを掲載した防災ブック
東京都が発行している「東京防災」は、災害時における基本的な知識をはじめ、災害時にどのように行動するべきかといった「防災アクション」が多く掲載された防災ブックで、イラストを交えた分かりやすい内容&構成になっています。
女性の視点を活かした防災ミニブック
福岡市が発行している無料の冊子(電子書籍)ですが、女性や子育て家庭などで必要な「備蓄品の紹介」をはじめ、女性の「災害体験談」などを含めた防災に関する情報が、女性の視点でまとめられています。
災害に備える くらしとお金の安心ブック
災害に遭った時に、「その後の暮らしを立て直すための、日頃からできる経済的な取り組み」をまとめたもので、日本FP協会が配布している無償の冊子です。
まとめ
今回は、いつ襲ってくるかわからない災害に備えて、「家庭ストック(日常備蓄)」と「避難グッズ(非常持ち出し)」についてご紹介しました。
冒頭でも触れたとおり、近年では異常気象による大雨や台風などが頻発しています。
自分自身で出来る準備をしておけば、災害時のリスクを減らすことが出来るので、ここで紹介した準備やアイテムを参考に、ご自身に合った防災準備をしておきましょう。