WEBデザインには、欠かすことのできない画像素材。
そんな画像素材は、無料で使うことができる「フリー素材」と、有料で使うことが出来る「ストックフォト」に分類され、多くの人が利用しています。
でも、それら画像素材を利用する上での「権利関係」や「利用規約」について、皆さんはどこまで理解して利用されているでしょうか。
ということで、日ごろから利用する画像素材について、これだけは知っておくべき最低限の基本知識を、ここでしっかりと理解しておきましょう
画像素材の種類
上でも触れたとおり、画像素材の利用形態には、無料で使うことができる「フリー素材」と、有料で使うことが出来る「ストックフォト」に分類されます。
フリー素材とは
「フリー素材」とは、フリー素材サイトに投稿された画像を、ユーザーが利用規約の範囲内において、無料で利用することができる画像になります。
近年では、一般のアマチュアをはじめ多くのクリエイターが、自身の作品を世の中に広く知ってもらうために作品を投稿することが多いので、質＆量ともにフリー素材のクオリティが高くなっています。
ストックフォトとは
「ストックフォト」とは、プロアマ問わず多くのクリエイターが、webサイトや広告などで利用されることを想定した様々なシーンの画像を投稿し、ユーザーは、料金を支払うことで投稿された画像を利用することができます。
「ストックフォト」では、ユーザーがあらゆる目的で画像を利用することを想定しているので、画像のコンセプトや画質などのクオリティが高く、様々なシーンやシチュエーションに対応する豊富な素材が揃っています。
画像素材の『権利関係』
著作権フリー
著作権が消滅または放棄されたものを指します。
ちなみに、よく「ロイヤリティフリー」と混同されることがありますが、その意味は全く異なるので注意が必要です。
パブリックドメイン（CC0）
基本的には著作権フリーと同様で、著作権が消滅または放棄されたものを指します。
特定の権利者はおらず、社会全体で共有されている状態をいい、パブリックドメインに置かれたものは、社会の共有財産として扱われます。
海外サイトで多く見られる表記で、パブリックドメインの画像だけを集めたサイトも存在しますが、その中には有名キャラクターや企業の商標などを撮影したものも見受けられるので、取り扱いには注意が必要です。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス（CCライセンス）
「一定の条件の下でなら、自由に使用することを許可」されたものを指します。
クリエイティブ・コモンズは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス（CCライセンス）を提供している国際的非営利組織とそのプロジェクトの総称です。
CCライセンスとはインターネット時代のための新しい著作権ルールで、作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません。」という意思表示をするためのツールです。
ロイヤリティフリー
著作権使用料(ロイヤリティ)が無料のものを指します。
なので、あくまで「ライセンス料」が無料ということで、著作権自体は存在しているので、著作権フリーと混同しないようにしましょう。
モデルリリース
「肖像権利用の許諾書」のことで、写真の使用に関して、モデルから肖像権使用の承諾を得ていることを証明するものです。
ストックフォトサービスにおいては、必ずモデルリリースの有無が明示されていますが、フリー素材の場合、モデルリリースの有無が明示されていないサイトが多いので、フリー素材サイトで人物写真を使用する際は、そのリスクを認識しておく必要があります。
プロパティリリース
被写体に、個人や法人が権利を保有する建物・物品・ペットなどが含まれる場合、それらの所有者から、写真の使用に関して同意を得ていることを証明するものです。
こちらも、ストックフォトサービスにおいては、必ずプロパティリリースの有無が明示されていますが、フリー素材の場合、プロパティリリースの有無が明示されていないサイトが多いので、そのリスクを認識しておく必要があります。
画像素材の『利用規約』
クレジットの表記
フリー素材やストックフォトで使われる「クレジット」とは、その素材の製作者や撮影者のことを指し、クレジットの表記とは「権利者を明示(記載)」することを言います。
フリー素材サイトやストックフォトサービスの多くは、クレジットの表記が不要もしくは推奨になっています。
ただし、サイトやサービスによっては、クレジットの表記が必要な画像素材が混ざっていたり、素材の種類や利用方法によっては、クレジットの表記が必要な素材もあるので、素材を利用(ダウンロード)する際は、利用規約を十分に確認するようにしましょう。
素材の加工・改変
素材のサイズ変更やトリミングをはじめ、素材にテキストや画像といった別の物を付け加えたりすることで、元の素材に手を加えることをいいます。
利用する画像素材を編集して使用したい場合は、加工・改変が可能かどうかを利用規約できちんと確認する必要があります。
また、素材を商用目的で利用する際や、ストックフォトにおいて素材に商標や有名人が映っている場合などは、素材の加工・改変に制限が設けられていることがあるので、この点についても利用規約を十分に確認するようにしましょう。
素材の再配布(二次配布)
ダウンロードした素材を、他に配布することを言います。
具体的には、フリー素材サイトやストックフォトサービスからダウンロードした写真を、自分のサイトなどで(別の場所で)第三者に配布することを指します。
商用利用
利益が発生するコンテンツで、素材を使用することを指します。
具体的には、商業印刷物や営利目的のホームページ内で素材を使用することを言いますが、どのような使用が商用利用になるのかは、各サイトor各サービスによって異なります。
また、個人利用と商用利用では、規約(加工・改変の可否やクレジットの表記など)が異なる場合があるので、商用利用の場合は特に注意が必要です。
その他
ほとんどのフリー素材やストックフォトでは、暴力や麻薬などの違法行為が絡むコンテンツでの素材利用を禁止しており、ポルノやアダルトはもちろん、出会い系や婚活などへの素材利用を禁止していることがあります。
利用規約に記載されている禁止事項は、必ず確認するようにしましょう。
まとめ
どんな素材にも「権利関係」があり、どんなサービスにも「利用規約」が存在します。
そして、フリー素材もストックフォトも、それぞれにメリット＆デメリットがありますが、とくにフリー素材においては、きちんと利用規約を守って素材を使用していたのに、著作権侵害の連絡が来ることがあります。
これは、誰かが無断で盗んだ素材をフリー素材サイトにアップしていて、運悪くそれを使ってしまった場合にあることですが、フリー素材サイトを利用する際は、少なからずそういったリスクがあることも理解しておく必要があります。
いずれにしても、サイトの運営で画像素材を利用する際は、後々トラブルにならないよう、基本的な「権利関係」と「利用規約」はきちんと押さてたうえで、有効に活用していきましょう。
